境界とは何か~境界の定義~
(1)境界の定義
人は住居を確保するために土地を所有しその土地上に建物を建てたり,誰かが所有する土地や建物を借りるなどして,住居を確保しています。
このように,人が生活を営むためには土地の利用が不可欠なものです。
人が土地の利用をする場合,地球は陸地と海で繋がっているため,誰がどの範囲に支配を及びしているのかということを明確にしなければなりません。この土地の支配権の及ぶ限界を境界といいます。
(2)境界の種類
(1)で述べたように,境界とは土地の支配権の及ぶ限界のことですが,支配権を及ばせる場面は様々です。
地球が陸地,海で広がっており,その中に各々の国家が存在していることから,各国家が支配権を及ぼす範囲を決めておく必要があります。この境界が国境です。
1つの国家の中でもさらに地方公共団体による支配権の範囲を定める必要があり,このような境界が地番の境の境界といいます。
そして,各個人が自身の所有する所有権の範囲を定めておく必要がありますが,それが所有権の境の境界です。
このように,境界には様々な種類がありますが,境界というのは無限に広がる土地に区切りをつけ,支配範囲を明確にするという共通点が見られます。
(3)紛争において問題となる境界
境界の種類を述べる際,国家レベルとスケールの大きい話をしましたが,国境が問題になるということはほとんどありません。トラブルとなる境界は,基本的には,隣接しあう個人の土地の境界,すなわち,所有権の境の境界であると言えます。また,所有権の境の境界以外にも,地方自治体が租税その他の公的権力を及ぼす範囲についても問題となることがあります。
(4)まとめ
以上をまとめると次のようになります。
1 境界とは土地に対する支配権の及ぶ範囲の限界をいう
2 境界は無限に広がる土地に区切りをつけるという性質のものである
3 紛争となるのは主に所有権の境界,地番上の境界である